2018年5月20日日曜日

和歌山市民図書館がツタヤ図書館に決まるまで(後半)

和歌山市民図書館の駅ビルへの移転発表から、指定管理者がCCC(TSUTAYAの系列企業)に決まるまでの流れの後半です。

<2017年>
5月   市が基本設計発表 カラーのイメージ図入り (PDF) 

   この基本計画は株式会社アール・アイ・エー(RIA)によって作成されています。 

    株式会社アール・アイ・エー
    (RESEARCH INSTITUTE OF ARCHITECTURE)

    http://www.ria.co.jp/

Wikipediaによれば
株式会社アール・アイ・エー (RIA, RESEARCH INSTITUTE OF ARCHITECTURE) は、
東京都港区に本拠を置く組織系建築設計事務所、都市計画コンサルタント。山口文象らが
起こした建築設計協働組織を前身とする。大規模建築物や法定再開発を得意とする。 


 事務所探訪
“まち”という環境、人々の暮らし、未来という時が“ひとつ”に連なるまちづくりで日本中に幸せを届ける アール・アイ・エー

http://www.arc-agency.jp/magazine/3188

「オーダーに応える会社ではなく、オーダーそのものをつくっていく会社」。
そう語るのは同社代表の岩永裕人氏。まちづくりの難所は、デベロッパーや建設会社、地元および周辺地域の住民など、立場が異なる人々とコミュ二ケーションをとり、「皆をハッピーにする」最適解を導く点にある。すべての意見を吸い上げ「街はどうあるべきか」を構想に落とし込んでいく。その企画づくりを担うのが、同社のコンサルティング部門だ。社員約230名のうち、約60名をコンサルタントが占める。

 この会社は東京の代官山蔦屋書店のデザインを手がけたことで評判になり、以後CCCが指定管理者となった多賀城市立図書館(多賀城駅北再開発)海老名市立中央図書館(大規模改修)をも手掛けているのです。そこが和歌山市が指定管理制を導入すると決まる以前から基本計画に参画していました。

そして6月の定例市議会で指定管理者精度導入の条例が、あっという間に成立してしまいました。

6月   市議会定例会に指定管理者制度導入の条例改正案を提出して成立

  和歌山)和歌山市民図書館、指定管理者制度導入へ
  大森浩志郎
  朝日新聞デジタル 2017年6月3日03時00分

  https://www.asahi.com/articles/ASK5045CRK50PXLB006.html

8月 23日      現図書館で市民向け説明会

 この条例成立に驚いた私達は市に対して説明を求めました。どんな図書館になるのか。私達の希望は入れられるのか。
 市(現図書館)は平日の夕方6時半から定員30名の説明会を実施しました。ここにはマスコミ関係者も含めてちょうど30人ぐらいが参加しました。主催者側は定員が一杯になるほど来るとは予想していなかったのか途中で椅子とテーブルを増やしました。説明に使用されたスライドや配布資料は具体性の少ない簡素なものでした。
 また説明会は8時までの予定でしたが質問や意見が途切れないので8時半まで延長されました。それでも時間を理由に質疑は打ち切られ、以後説明会は二度と開催されませんでした。

  和歌山市民図書館 指定管理導入に反対の声
  ニュース和歌山 2017年9月2日記事

  http://www.nwn.jp/news/20170902_library/

9月  私達は新しい図書館に対して望むこと(司書について、サービス内容について、      館内の施設について)を市に要望書として提出しました。

9月30日  前和歌山大学学長、国立大学協会専務理事 の山本健慈さんと、
       和歌山大学教授の渡部幹雄さんをお招きして「市民と歩む図書館」という
       シンポジウムを開催し 図書館のあり方や果たすべき役割についてお話を伺       いました。マスコミも来て報道しましたが指定管理者に対するニュアンス       は「流れはもう逆らえない状況だ」と言葉尻を捉えた表現になりました。

  和歌山市民図書館  民間委託導入へ、どう変わる図書館 
  シンポに70人 司書の継続性「必要」/和歌山
  毎日新聞2017年10月1日 地方版

  https://mainichi.jp/articles/20171001/ddl/k30/040/336000c

全国各地でユニークな図書館作りに関わった渡部幹雄・和歌山大付属図書館長は「コスト重視で全国一律のパッケージをあてはめるだけの民間委託では、図書館の面白さは失われる」と指摘。「独自の工夫を怠ってきた多くの図書館にも責任はあったが、少なくとも民間委託後も司書が数年おきに交代してしまうような状況は避けなければならない」と話した。
 山本健慈・和歌山大前学長は「全国での(民間委託の)流れはもう逆らえない状況だが、図書館は多くの利用者の意見が重なり合ってまとまる過程が大事。新図書館もより良い図書館になるよう、利用者が関心を持ち続けよう」と呼び掛けた。(記事より)


翌月市は私達の要望書に対し回答もないまま指定管理者の公募を実施しました。公募はひっそりと図書館のウェブサイトに掲載されました。

10月18日  指定管理者公募開始

 新図書館建設情報 (和歌山市のサイト) 公募内容資料は削除されています。
https://www.lib.city.wakayama.wakayama.jp/new_library.html

11月24日  指定管理者選定委員会プレゼンテーション(公開)実施

 何社か問合せがあったらしいという噂はありましたが最終選考に残ったのはCCCとTRCの2社でした。この2社が公開プレゼンテーションを実施しました。私達もマスコミ各社に混じって会場に赴きましたが、マスコミ記者を除く一般参加者には資料も配られず、スライドの撮影や音声の録画も禁止されていました。手でメモするのがせいぜいでした。2社のプレゼンテーションが終わると一般参加者は退場を求められました。

  和歌山市民図書館 指定管理に2社が応募
  わかやま新報 17年11月25日

  http://www.wakayamashimpo.co.jp/2017/11/20171125_74358.html

11月30日  選定委員会が指定管理者にCCCを選定・マスコミにリーク

指定管理者選考委員会はCCCに決定したと市はマスコミ各社にリークし、そのことはイメージ画像付きで翌日の記事になりました。(市議会の議決を経るまで正式決定はしていません。)

  和歌山市駅に直結、「ツタヤ図書館」開館へ 最大規模
  杢田光  
  朝日新聞デジタル 2017年12月1日16時18分

  https://www.asahi.com/articles/ASKCZ4SM9KCZPXLB00D.html

  中核市で初、ツタヤ運営CCCが指定管理者候補者に 新和歌山市民図書館
  産経新聞WEST 2017.12.1 10:40更新

  https://www.sankei.com/west/news/171201/wst1712010034-n1.html

  市民図書館 指定管理候補にツタヤ運営会社
  ニュース和歌山/2017年12月9日

  http://www.nwn.jp/news/20171209_library/

  2019年10月に開館予定の、和歌山市民図書館の新図書館の指定管理者候補者に、
  カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(CCC)が選定
  カレントアウェアネス Posted 2017年12月1日

  http://current.ndl.go.jp/node/35088


2017年11月30日、和歌山市は、2019年10月に南海和歌山市駅の建物に開館予定の、和歌山市民図書館の新図書館の指定管理者候補者に、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(CCC)を選定したことを発表しました。
指定管理者には、CCCと株式会社図書館流通センターの2社が応募していました。指定期間は新図書館が供用開始する日から2024年3月31日までです。2017年12月に市議会での審議、議決を経て指定される予定です。

和歌山市民図書館に係る指定管理者候補者の選定結果について(和歌山市, 2017/11/30)
http://www.city.wakayama.wakayama.jp/jigyou/1012938/1013706/1018233.html

和歌山市民図書館指定管理者選定結果(PDF: 52.4KB)
http://www.city.wakayama.wakayama.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/018/233/shimintoshokankekka.pdf

おかしなことに、11月30日に始まった12月定例市議会の議題に新図書館の指定管理者決定に関する事は含まれていませんでした追加議案として突然加えられたことがわかったのは12月に入って数日経ってからでした。私達は12月11日の経済文教委員会を傍聴しました。委員会では選書や分類法などに関する質疑が行われましたが、議案は本会議の最終日に承認されました。

12月15日  本会議でCCC指定管理者承認案議決


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