2018年5月22日火曜日

12月4日情報公開請求とその結果

2017年12月4日に私達は市に対して、図書館を担当することになる職員は全て司書資格者とすることや、内3割は司書として長期経験を有する者とすること、館長等の責任者は開館後3年は転勤させないこと(オープンして軌道に乗ったら館長が他の館へ行ってしまうことがあると聞いたため)や、分類法は全て従来通りの日本十進分類法(全国の公立および学校図書館で採用されている分類法)で行うこと等の要望や、私達の疑問に詳しく答えること(ツタヤ分類法の説明など)を求める要望書を提出しました
同時に私達は12月4日付で、以下のことを求める情報公開請求を行いました。

1)選定委員人選の根拠と選定委員の個々の配点について
2)2社の提案内容についての一覧とヒヤリングの議事録について
3)選定の根拠について

議会中で無理かとは思いましたが、12月11日までに開示をお願いしますとしました。
その期待は外れましたが、議会最終日でもあった12月15日付で出された市(図書館)の回答は開示可否の回答の「45日間の延期」でした。新たな期限は一方的に平成30年2月1日となっていました。延長理由は「請求開示に係る公文書の内容が複雑で、短期間に開示の可否を決定するのが困難であるため」となっていました。
しかし45日も必要とするものなのでしょうか?
ある市議は、こんな長い延期は見たことがないとコメントしました。マスコミ関係者にも驚きを示した方もいました。

年が明けて2月1日に開示された内容を受け取りました。
写真は、2)の提案内容に対する開示ですが、全部黒塗りでした。こんな真っ黒な状態のものが97枚、分厚い束になっていました。
全ページ、項目だけを残して黒く消されていました。既に新聞記事に掲載されたようなイメージ画像や各フロアのレイアウト図面も全て黒塗りでした。(この黒塗りの束に対して私達の世話人は、規定に基づいて2千円以上を支払いました。)

市民を馬鹿にしていると思いませんか。
余りにも衝撃的だったので読売新聞が和歌山版に写真入りで掲載してくれました。2月3日付の紙版に載りました。
「ツタヤ図書館」提案内容黒塗り
 ネット版にも掲載されましたが今は読売サイトからは消えています。


開示できない理由は企業秘密に係るからでした。(厳密な表現ではありませんが)
1ページ目の和歌山市民会館の基本方針・理念が企業秘密なんでしょうか?

選定委員の2社に対するヒヤリングの議事録についても同様でした。
質問以外の回答と発言の多くが黒塗りでした。時には質問の内容さえわからないようになっていました。 発言者の名前も伏せられています。

なぜこのように中身が分からないほど消すのかと尋ねると市側の答えは、選定委員会の委員のように外部の方に入っていただく時は発言の内容が外部に漏れないことを保証している、そうでないと(立場等の配慮によって)その方が率直な意見を述べることができなくなる恐れがあるからだ、だから今回だけ表に出すということはできないのだ(漏らしたという前例を作ってしまうと信用されなくなるから)というものでした。だから、この質問を発したのはおそらくあの人であろうと推測されるような質問も伏せる必要がある、ということだったのです。これは市職員から対面で聞いたことですので、一字一句そのままではありません。
外部から依頼で引き受けた委員にも肩書はあり、氏名は公表されています。そこまで配慮や忖度が必要なものなのでしょうか?

ここで引き下がっては前に進めませんので私達は翌月、3月5日付不服申立てを行いました。それに対する回答はまだ出ておりません

 1)選定委員人選の根拠と選定委員の個々の配点について
については、選定委員の誰が何点を付けたのかは伏せてA~E氏の5名が各項目に対して
何点を与えたかは開示されました。
                 CCCへの採点
 

               TRCへの採点
  この採点を見比べるとD, E氏の 評価がCCC選定に大きく寄与したことが見て取れます。
3)選定の根拠について については後にこのような資料が出て来ました。



私達は他にも要望書の提出などを行って来ましたが、無回答もしくは紙一枚の回答になっています。しまいには、他のことは全部譲っても分類法だけは従来通りを守りたい、と要望を重ねて来ました。

3月27日付の図書館長名の回答によれば、

 まず、指定管理者の提案している図書の部員類については平成30年2月9日付で回答しましたように、皆さまが考えられているようなご心配はなく、このことは書面で説明しておりますので説明の場を設けることは考えておりません。

と書かれています。





#図書館  #和歌山市 #TSUTAYA #CCC #TRC #指定管理 #ツタヤ図書館
#和歌山市民図書館 #カルチュア・コンビニエンス・クラブ

2018年5月20日日曜日

和歌山市民図書館がツタヤ図書館に決まるまで(後半)

和歌山市民図書館の駅ビルへの移転発表から、指定管理者がCCC(TSUTAYAの系列企業)に決まるまでの流れの後半です。

<2017年>
5月   市が基本設計発表 カラーのイメージ図入り (PDF) 

   この基本計画は株式会社アール・アイ・エー(RIA)によって作成されています。 

    株式会社アール・アイ・エー
    (RESEARCH INSTITUTE OF ARCHITECTURE)

    http://www.ria.co.jp/

Wikipediaによれば
株式会社アール・アイ・エー (RIA, RESEARCH INSTITUTE OF ARCHITECTURE) は、
東京都港区に本拠を置く組織系建築設計事務所、都市計画コンサルタント。山口文象らが
起こした建築設計協働組織を前身とする。大規模建築物や法定再開発を得意とする。 


 事務所探訪
“まち”という環境、人々の暮らし、未来という時が“ひとつ”に連なるまちづくりで日本中に幸せを届ける アール・アイ・エー

http://www.arc-agency.jp/magazine/3188

「オーダーに応える会社ではなく、オーダーそのものをつくっていく会社」。
そう語るのは同社代表の岩永裕人氏。まちづくりの難所は、デベロッパーや建設会社、地元および周辺地域の住民など、立場が異なる人々とコミュ二ケーションをとり、「皆をハッピーにする」最適解を導く点にある。すべての意見を吸い上げ「街はどうあるべきか」を構想に落とし込んでいく。その企画づくりを担うのが、同社のコンサルティング部門だ。社員約230名のうち、約60名をコンサルタントが占める。

 この会社は東京の代官山蔦屋書店のデザインを手がけたことで評判になり、以後CCCが指定管理者となった多賀城市立図書館(多賀城駅北再開発)海老名市立中央図書館(大規模改修)をも手掛けているのです。そこが和歌山市が指定管理制を導入すると決まる以前から基本計画に参画していました。

そして6月の定例市議会で指定管理者精度導入の条例が、あっという間に成立してしまいました。

6月   市議会定例会に指定管理者制度導入の条例改正案を提出して成立

  和歌山)和歌山市民図書館、指定管理者制度導入へ
  大森浩志郎
  朝日新聞デジタル 2017年6月3日03時00分

  https://www.asahi.com/articles/ASK5045CRK50PXLB006.html

8月 23日      現図書館で市民向け説明会

 この条例成立に驚いた私達は市に対して説明を求めました。どんな図書館になるのか。私達の希望は入れられるのか。
 市(現図書館)は平日の夕方6時半から定員30名の説明会を実施しました。ここにはマスコミ関係者も含めてちょうど30人ぐらいが参加しました。主催者側は定員が一杯になるほど来るとは予想していなかったのか途中で椅子とテーブルを増やしました。説明に使用されたスライドや配布資料は具体性の少ない簡素なものでした。
 また説明会は8時までの予定でしたが質問や意見が途切れないので8時半まで延長されました。それでも時間を理由に質疑は打ち切られ、以後説明会は二度と開催されませんでした。

  和歌山市民図書館 指定管理導入に反対の声
  ニュース和歌山 2017年9月2日記事

  http://www.nwn.jp/news/20170902_library/

9月  私達は新しい図書館に対して望むこと(司書について、サービス内容について、      館内の施設について)を市に要望書として提出しました。

9月30日  前和歌山大学学長、国立大学協会専務理事 の山本健慈さんと、
       和歌山大学教授の渡部幹雄さんをお招きして「市民と歩む図書館」という
       シンポジウムを開催し 図書館のあり方や果たすべき役割についてお話を伺       いました。マスコミも来て報道しましたが指定管理者に対するニュアンス       は「流れはもう逆らえない状況だ」と言葉尻を捉えた表現になりました。

  和歌山市民図書館  民間委託導入へ、どう変わる図書館 
  シンポに70人 司書の継続性「必要」/和歌山
  毎日新聞2017年10月1日 地方版

  https://mainichi.jp/articles/20171001/ddl/k30/040/336000c

全国各地でユニークな図書館作りに関わった渡部幹雄・和歌山大付属図書館長は「コスト重視で全国一律のパッケージをあてはめるだけの民間委託では、図書館の面白さは失われる」と指摘。「独自の工夫を怠ってきた多くの図書館にも責任はあったが、少なくとも民間委託後も司書が数年おきに交代してしまうような状況は避けなければならない」と話した。
 山本健慈・和歌山大前学長は「全国での(民間委託の)流れはもう逆らえない状況だが、図書館は多くの利用者の意見が重なり合ってまとまる過程が大事。新図書館もより良い図書館になるよう、利用者が関心を持ち続けよう」と呼び掛けた。(記事より)


翌月市は私達の要望書に対し回答もないまま指定管理者の公募を実施しました。公募はひっそりと図書館のウェブサイトに掲載されました。

10月18日  指定管理者公募開始

 新図書館建設情報 (和歌山市のサイト) 公募内容資料は削除されています。
https://www.lib.city.wakayama.wakayama.jp/new_library.html

11月24日  指定管理者選定委員会プレゼンテーション(公開)実施

 何社か問合せがあったらしいという噂はありましたが最終選考に残ったのはCCCとTRCの2社でした。この2社が公開プレゼンテーションを実施しました。私達もマスコミ各社に混じって会場に赴きましたが、マスコミ記者を除く一般参加者には資料も配られず、スライドの撮影や音声の録画も禁止されていました。手でメモするのがせいぜいでした。2社のプレゼンテーションが終わると一般参加者は退場を求められました。

  和歌山市民図書館 指定管理に2社が応募
  わかやま新報 17年11月25日

  http://www.wakayamashimpo.co.jp/2017/11/20171125_74358.html

11月30日  選定委員会が指定管理者にCCCを選定・マスコミにリーク

指定管理者選考委員会はCCCに決定したと市はマスコミ各社にリークし、そのことはイメージ画像付きで翌日の記事になりました。(市議会の議決を経るまで正式決定はしていません。)

  和歌山市駅に直結、「ツタヤ図書館」開館へ 最大規模
  杢田光  
  朝日新聞デジタル 2017年12月1日16時18分

  https://www.asahi.com/articles/ASKCZ4SM9KCZPXLB00D.html

  中核市で初、ツタヤ運営CCCが指定管理者候補者に 新和歌山市民図書館
  産経新聞WEST 2017.12.1 10:40更新

  https://www.sankei.com/west/news/171201/wst1712010034-n1.html

  市民図書館 指定管理候補にツタヤ運営会社
  ニュース和歌山/2017年12月9日

  http://www.nwn.jp/news/20171209_library/

  2019年10月に開館予定の、和歌山市民図書館の新図書館の指定管理者候補者に、
  カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(CCC)が選定
  カレントアウェアネス Posted 2017年12月1日

  http://current.ndl.go.jp/node/35088


2017年11月30日、和歌山市は、2019年10月に南海和歌山市駅の建物に開館予定の、和歌山市民図書館の新図書館の指定管理者候補者に、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(CCC)を選定したことを発表しました。
指定管理者には、CCCと株式会社図書館流通センターの2社が応募していました。指定期間は新図書館が供用開始する日から2024年3月31日までです。2017年12月に市議会での審議、議決を経て指定される予定です。

和歌山市民図書館に係る指定管理者候補者の選定結果について(和歌山市, 2017/11/30)
http://www.city.wakayama.wakayama.jp/jigyou/1012938/1013706/1018233.html

和歌山市民図書館指定管理者選定結果(PDF: 52.4KB)
http://www.city.wakayama.wakayama.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/018/233/shimintoshokankekka.pdf

おかしなことに、11月30日に始まった12月定例市議会の議題に新図書館の指定管理者決定に関する事は含まれていませんでした追加議案として突然加えられたことがわかったのは12月に入って数日経ってからでした。私達は12月11日の経済文教委員会を傍聴しました。委員会では選書や分類法などに関する質疑が行われましたが、議案は本会議の最終日に承認されました。

12月15日  本会議でCCC指定管理者承認案議決


#図書館  #和歌山市 #TSUTAYA #CCC #TRC #指定管理 #ツタヤ図書館
#和歌山市民図書館 #カルチュア・コンビニエンス・クラブ


2018年5月18日金曜日

和歌山市民図書館がツタヤ図書館に決まるまで(前半)

 和歌山市民図書館がCCCの指定管理に決まるまでの流れです。
前半 2015~2016年

<2015年>
5月      市が市民図書館を南海和歌山市駅へ移転する計画を発表
7月      和歌山市民図書館基本計画策定業務を担当する事業者を公募
9月     公募型プロポーザルの結果を発表
        (クリックするとPDFが開きます)
      共同企業体名:図書館総研・岩西産業共同企業体
        株式会社図書館流通センター(TRC)系列の図書館総研と地元企業との
       共同企業体が受託
10月 24日~11月1日  来館者アンケートを実施
     アンケートを実施したのはたったの9日間だったのです。だから私はアンケー     トに遭遇しなかったのです。
     来館者アンケート用紙 (PDF)

11月5日  市民アンケートを発送  (返送期限:11月25日)
       ランダムな抜き打ち式のアンケートでしょう。
      市民アンケート用紙 (PDF)

11月~ 地元企業2社が図書館関連の各種イベントを開催


11月17日  和歌山大学附属図書館の渡部幹雄館長をお招きし、
      「みんなでつくろう未来の図書館」と題し、講演会を開催
       講演会の様子 (PDF)

11月から12月にかけて4回シリーズの図書館づくりワークショップが開催されました。
このワークショップを企画し、社員であることを伏せて参加したのが上記の企業でした。(関係者の知人から聞いた話)

11月21日  図書館づくり市民ワークショップ(第1回) 詳細はこちら (PDF)
11月28日  図書館づくり市民ワークショップ(第2回) 詳細はこちら (PDF)
12月6日   図書館づくり市民ワークショップ(第3回) 詳細はこちら (PDF)
12月12日  図書館づくり市民ワークショップ(第4回) 詳細はこちら (PDF)

  未来の図書館考えよう 市民がアイデア交換
  ニュース和歌山2015年11月28日号

  http://www.nwn.jp/news/2015112804_toshokan/

誰が主催したかということは全く書かれていません。

このワークショップが終わった後で、いつの間にか市民団体「みんなでつくろう未来の図書館」が発足していました。

  未来の図書館考えよう 21日 市駅ビルでトーク
   ニュース和歌山2015年12月19日号

   http://www.nwn.jp/news/2015121901_toshokan/

  南海和歌山市駅ビルの建て替えに伴い、ビル内に移転が決まった和歌山市民図書館について考えるトークライブ「未来の図書館、はじめませんか?」が12月21日(月)午後7時、市駅ビル3階で開かれる。市民団体「みんなでつくろう未来の図書館」主催

  今回はワークショップの進行役を務め、福島、富山、沖縄ほか地方の図書館など文化機関の整備に携わるアカデミック・リソース・ガイド代表で『未来の図書 館、はじめませんか?』などの著書がある岡本真さんと、東日本大震災の被災地で「いわてを走る移動図書館プロジェクト」を立ち上げた鎌倉幸子さんが、本当 にいい図書館とは何なのかや、普段利用しない人も行きたくなる図書館について話す。質疑応答も。 (記事より)


<2016年>
2月   市民団体「みんなでつくろう未来の図書館」がワークショップ開催や
    アンケート実施

  未来の市民図書館考えよう 建築士ら有志が「準備室」 母親グループはアンケート
  ニュース和歌山2016年2月13日号

  http://www.nwn.jp/news/16021301_library/

 建築士らが市民団体「みんなでつくろう未来の図書館」を発足させ、2月に「準備室」と名付けたワークショップを始めた。南海和歌山市駅ビルの建て替えに伴い、2019年度に駅ビルへ移転開館する和歌山市民図書館を応援する取り組みで、市民同士のアイデア交換や学習の場を設ける。また、子育て世代の母親が集うNPO法人ホッピングは母親たちの生の声を集め、市に要望書を出した。より市民に近い図書館を求める機運が高まっている。 (記事より)

 建築士らが市民団体を発足?

 和歌山市民図書館の基本計画策定をワークショップ面で支援
 Posted 2016年5月1日    
 アカデミック・リソース・ガイド株式会社

  http://arg-corp.jp/2016/05/01/wakayama-2/

 このたび弊社では、本件業務を受託した「図書館総研・岩西産業共同企業体」からの依頼に基づき、「図書館づくり市民ワークショップ」の実施を支援しました

4月  和歌山市民図書館 基本計画を策定 (PDF)   概要版(PDF)


和歌山市民図書館、2019年10月に開館予定の新図書館について基本計画を公表
カレントアウェアネス Posted 2016年5月2日

 http://current.ndl.go.jp/node/31485

新図書館建設情報(和歌山市民図書館)
https://www.lib.city.wakayama.wakayama.jp/new_library.html

ちなみに2016年5月に当時の毎日新聞和歌山支局長が、和歌山市にもツタヤ図書館ができるのではないかという懸念?をコラム「支局長からの手紙」に書かれていました。
鋭いカンであったのか、それとも何かの情報に触れたのでしょうか。

支局長からの手紙  図書館の行方
毎日新聞 2016年5月2日 地方版(和歌山)
 
https://mainichi.jp/articles/20160502/ddl/k30/070/304000c


#図書館  #和歌山市 #TSUTAYA #CCC #TRC #指定管理 #ツタヤ図書館
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2018年5月17日木曜日

指定管理はワーキングプアを生むのか

 以下は2018年04月13日に宮崎県延岡市で開館した公共複合施設「エンクロス」の求人です。「エンクロス」の中にCCCが指定管理となった図書館があります。

2018年4月1日、延岡駅前に延岡市が計画を進める公共複合施設「エンクロス」がオープンします。
弊社は指定管理者として、施設の運営・管理を担います。
市民活動・イベント・カフェ・読書空間・地域情報発信・物産販売・キッズスペース・駅待合など複合的な機能とサービスを展開予定です。そこで一緒に働く仲間を募集しています。
延岡市民の皆さんと協働して、駅まちエリアに賑わいを取り戻すことが、プロジェクトのミッションです。
地域のために、あなたの個性を活かしてみませんか?

その他接客・サービス /
時給: 800円 〜
接客/サービス 時給800円
※経験・能力を考慮の上、当社規定に基づき決定
拠点名     カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社/延岡市駅前複合施設「エンクロス」

新しくできる駅前複合施設でのご案内・市民活動サポート・イベントの企画・運営、広報、子育て支援等

【具体的には】
・市民活動サポート業務
・イベントの企画、運営業務

図書の選書、書架整理等の業務
・カウンター業務(受付業務、情報発信業務、販売業務)
・子育て支援業務(お話会の開催など)
・総務・経理業務
・広報業務(HPやSNS更新、視察対応等)
・デザイン/編集業務(チラシ、ポスター、フリーペーパーの作成等)

※個々のスキルに応じて、担当業務を決定します。

なお、以下に該当する方は大歓迎です!
図書館・書店勤務経験者または、司書・司書補の資格のある方
※外国語(英語・中国語など)ができる方
※保育士、栄養士の資格をお持ちの方



つまり司書でもこういう条件ということですね。
800円 としてあっても司書資格や図書館勤務経験があるからと言って、時給に100円や200円も差がつくだろうと思う人は、アルバイト業界の実態を知っている人にはいないと思います。基本給に何十円か上乗せされるところが関の山でしょう。外国語ができたり保育士や栄養士資格を持っていても同様です。


山口県の周南市立徳山駅前図書館の求人情報もありました。

山口県の求人情報
【オープニングメンバー募集】周南市立徳山駅前図書館
2017年10月26日 ccc-saiyo    <図書館・司書の求人>

■雇用形態: アルバイト、パート
職種・給与  司書 /時給: 900円 〜 、 書店 /時給: 860円 〜
図書館スタッフ、書店スタッフの同時募集
司書資格・司書補資格保有者は時給900円、資格が無くても時給860円スタート
昇給制度あり

始業時間/終業時間 07:00 / 23:00
シフト制(1日4時間以上、週3日以上、応相談)
※フルタイム勤務できる方、土日どちらか勤務できる方歓迎
シフト 朝、昼、夕方、夜、深夜
勤務日数 週3~5日
勤務期間 3ヶ月以上~長期

仕事内容 図書館スタッフ(周南市立徳山駅前図書館)
・本の貸出、返却対応
選書、蔵書管理、書架整理
レファレンスサービス
・施設の整備・清掃
・会議室の管理
・イベントの企画・運営 、読み聞かせ


経験・資格
実務経験不問
◎ホスピタリティをもって対応ができる方
◎来館者と新しい本の出会いをサポートしたいと思える方

待遇・福利厚生
通勤交通費支給(月15,000円まで)
社会保険完備、研修制度あり、年次有給休暇(当社規定)


どちらの施設もアルバイトに選書させるんですね。
図書館担当の司書は無資格の書店スタッフよりも時間当たり40円高いそうです。
朝の7:00から深夜の23:00まであるシフトに経験豊富な有資格者が この条件で集まるのでしょうか。その場合は無資格のスタッフに研修を受けさせて埋めるのでしょうか。

少なくとも言えるのは、このような時給で独身者が(まして扶養家族のいる人が)どのようにシフトを組合わせてもこの仕事だけで自立した生活を営むのは不可能だということです。

ちなみに和歌山市民図書館では現在でも司書の約3分の2は(訂正します。下記をご参照ください)非正規雇用だそうです。
ということは現在と同じのべ勤務時間でCCCに委託されたところで人件費は、全員が正規の公務員である場合と比べたら大きく下がるわけではないということです。そこへ年中無休、9時から21時までの開館になるのですから、採用しなければいけない人数は増えます。サービス業の人手不足が多くの業界に広がっている中で、適切な人材を確保し続けることができるのでしょうか。
どこの図書館かは忘れましたが、アルバイト職員が図書館の本を自宅に持ち帰り私物化していたことがあるそうです。

【追記】
以下のような新聞記事がありました。

和歌山)和歌山市民図書館、指定管理者制度導入へ
朝日新聞 大森浩志郎
2017年6月3日

https://www.asahi.com/articles/ASK5045CRK50PXLB006.html
 
市直営である現在の市民図書館では正職員14人、非常勤職員23人の計37人が働く。
新図書館では職員数を45~50人に増やすことも検討している。(記事より)



#図書館  #和歌山市 #TSUTAYA #CCC #TRC #指定管理 #ツタヤ図書館
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2018年5月16日水曜日

図書館もどき 宮崎県延岡市「エンクロス」内図書館

いよいよ6つ目(現時点で最新)の施設は宮崎県延岡市駅前の複合施設「エンクロス」内にあります。ただし、ここは厳密に言えば図書館ではありません。そこで閲覧はできるのですが、貸出しを行っていません。人寄せのために本を陳列している感じです。
延岡市の人口は2018年1月1日で122,242人。
JR延岡駅前にTSUTAYA運営の市複合施設、再来年3月オープン
NIKKEI BP 
2016.7.20
 山田 雅子=ライター
http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/tk/15/433782/071700417/

  延岡駅前複合施設は、「延岡駅周辺整備基本計画」の中心施設として、交通結節点としての利便性向上と中心市街地の賑わいの創出を目指して整備するもの。列車やバスの待ち合いの機能のほか、市民活動の推進や地域の交流の促進、図書などの閲覧、飲食、地域特産品や市政に関する情報の発信、子育て世代の交流といった機能を持たせる。具体的には待合スペースやカフェカウンター、延岡の食材のPRイベントなどを行うキッチンスペース、情報発信スペースやキッズスペース、読書や勉強など様々な目的で利用できる多目的スペースなどを設ける計画だ。 (記事より)

(強調は私。ここも高梁市、周南市と同じですね。狙いは中心市街地の活性化です。)

2018年4月1日にオープン延岡市駅前複合施設の愛称が公募により「エンクロス」に決定。
CCC ニュースリリース 2017年11月13日

https://www.ccc.co.jp/news/2017/20171113_005307.html


延岡市駅前複合施設の開館について (延岡市の広報サイト)
http://www.city.nobeoka.miyazaki.jp/display.php?cont=180110131645


エンクロス 全面開館 新たなまちづくり、大きな一歩/宮崎
毎日新聞2018年4月14日 地方版

https://mainichi.jp/articles/20180414/ddl/k45/040/514000c

 エンクロスは駅舎と並行した鉄筋2階建て延べ床面積約1660平方メートル。建設費は約15億4200万円。設計した乾久美子さんは「リノベーションした駅舎に柱や高さをそろえて増築したように見せ、吹き抜けや広い窓を増やして景色を楽しめるようにした」と話す。
 指定管理はカルチュア・コンビニエンス・クラブ。佐賀県の武雄市図書館など全国の公共施設の運営は全国6施設目で、図書館以外の運営は初めてという。管理運営費は年間1億3500万円
 2階には蔦屋(つたや)書店の販売用と自由に閲覧できる書籍計4万冊があり、312席の座席で読むことができる。1階には「スターバックスコーヒー」がある。座席はイベントや学習などにも使える。年中無休で待合スペースは午前7時半開館、その他は全館午前8時開館、午後9時閉館。 
(記事より)
 
 JR延岡駅前「エンクロス」13日開館、4万冊図書閲覧やスタバ
読売新聞 九州発 
2018年04月13日

http://www.yomiuri.co.jp/kyushu/life/knowledge/20180413-OYS1T50021.html

2階の図書閲覧スペースなどでは、同階に入る蔦屋書店が販売する2万冊と、閲覧用に用意された2万冊を読むことができる。(記事より)

4万冊の内訳は閲覧用図書2万冊と蔦屋書店の2万冊でした。まるで「 気に入ったら書店でお買いください」みたいな…

エンクロスが宮崎県延岡市にオープン!駐車場は?求人やテナントも調査!
2018/4/15 
 (写真多数り)
https://hajimete-topics.com/encross-nobeoka/#i-6

 駐車場は?
 エンクロスのすぐ北側に2時間無料になる駐車場がありました。


次は求人について考えます。

#図書館  #和歌山市 #TSUTAYA #CCC #TRC #指定管理 #ツタヤ図書館
#和歌山市民図書館 #カルチュア・コンビニエンス・クラブ 
#エンクロス

2018年5月15日火曜日

5館目は山口県周南市立徳山駅前図書館

5館目は山口県周南市の徳山駅前図書館です。2018年2月3日開館しました。
周南市の人口は2018年4月30日現在 144,465人。

周南市立徳山駅前図書館
https://shunan.ekimae-library.jp/

 ここまで見て行くとツタヤ図書館のウェブサイトはデザインが共通していることがわかります。いずれ和歌山市民図書館のサイトも このようになるのでしょうか。

徳山駅周辺整備事業
カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社との連携

2013年11月18日更新  周南市ウェブサイト 
https://www.city.shunan.lg.jp/site/eksieibi/16365.html

 本市とカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社は、「新たな徳山駅ビル整備基本構想」の実現に向けた連携について、平成25年11月18日、以下のとおり共同声明を発表しました。

 「新たな徳山駅ビル整備基本構想」の実現に向けて(共同声明)
周南市は、平成25年11月、中心市街地の活性化や市民サービスの向上を図るため、「新たな徳山駅ビル整備基本構想」を策定し、(仮称)新徳山駅ビル(以下「新駅ビル」という。)のコンセプトを「このまちへ来る人へのおもてなしの場」、「このまちに住んでいる人たちの居場所」及び「人が集い楽しむこのまちの賑わいと交流の場」と定めた。この施設整備事業を推進するにあたり、周南市は、民間の知識、経験、技術、ノウハウ等を活用し、従来の公共サービスよりも高い付加価値を持つ新たな公共サービス及び民間サービスを提供する施設の建設及び運営の必要性を強く認識しているところである。
カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(以下「CCC」という。)は、東京都渋谷区代官山に、提案性の高い本や雑誌の品揃えと、ゆったりとした空間を設けたカフェを複合した、新しいライフスタイル提案サービスの旗艦モデルである「代官山蔦屋書店」を出店した。更に、佐賀県武雄市から図書館改装業務及び図書館管理運営業務を受託した「武雄市図書館・歴史資料館」においては、提案性の高い雑誌販売スペースやゆったりとしたカフェスペースの設置、年中無休の図書館サービスなど、従来の公共サービスとは一線を画す、市民に対して高い付加価値を持つ新たな公共サービスを導入し、賑わいや交流の創出を実現させている
周南市は、「代官山蔦屋書店」や「武雄市図書館・歴史資料館」に代表されるような、CCCのコンセプト企画力、ノウハウ等を十分に活用することが、新駅ビル整備事業の成功に繋がるものと確信しており、CCCとしても、この事業において、CCCが有するコンセプト企画力、ノウハウ等を生かした新たな公共サービスの実現に尽力したいとの意向があることから、両者は、新駅ビル整備事業に関して、新駅ビルのコンセプトの具体化等、「新たな徳山駅ビル整備基本構想」の実現に向けて連携する。
平成25年11月18日
周南市
カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社


 ひとつ前の岡山県高梁市立図書館とコンセプトが酷似しています。平成25年(2013年)なので無理もありません。建替え中の駅ビルに移転する和歌山市とも似ています。

 周南市 新市立図書館でCCCが公開プレゼン 
Tカードでも貸し出し、独自の分類法を導入/山口
毎日新聞 2016年7月26日 地方版

https://mainichi.jp/articles/20160726/ddl/k35/010/602000c


しかし、市民の中から反対の声が上がりました。

2016年01月12日 18時27分 JST | 更新 2016年01月12日 18時40分 JST
【TSUTAYA図書館】山口県周南市に住民投票を請求へ 8737人の署名
HuffPost Newsroom

https://www.huffingtonpost.jp/2016/01/12/tsutaya-library-syunan_n_8960144.html

 周南市にはすでに市立図書館が5館あり、TSUTAYA図書館の建設が予定される駅ビルから、わずか800メートルしか離れていない場所には中央図書館がある。市民団体の代表は「図書館の図書費を増額するべきで、行政の無駄な投資になるのでは」などと懸念していた。
 これに対して市側は、「新図書館は、中心市街地活性化の核施設」「年中無休で、夜遅くまで開いているので、いつでも利用でき、いつでも本に出会える」「機能や役割が異なる2つの図書館が近くにあることで双方の利用が増えたり、新しい人の流れができたりと相乗効果が期待できます」などと、新設するメリットを主張していた。

周南市、新図書館の設置計画の是非を問う住民投票は実施しない方向へ:住民投票条例制定の議案が議会で否決
カレントアウェアネス Posted 2016年2月26日

http://current.ndl.go.jp/node/30838


  2016年2月22日、周南市議会において、同市の市長が意見を附けて議会に付議していた
「周南市建設の中核施設としてカルチュア・コンビニエンス・クラブと連携した図書館
設置計画の是非を問う住民投票条例制定について」の議案が否決されました。
 市長の意見書には、2016年2月8日に8,739名の連署に制定の直接請求があった「周南市
新徳山駅ビル建設の中核施設としてカルチュア・コンビニエンス・クラブと連携した
図書館設置計画の是非を問う住民投票条例」の制定を反対する旨が記載されています。


周南市の場合は開館準備段階でダミー本問題が発覚しました。


ツタヤ図書館、ダミー本3万5千冊に巨額税金…CCC経営のカフェ&新刊書店入居
文=日向咲嗣/ジャーナリスト
Business Journal  2017.03.18

http://biz-journal.jp/2017/03/post_18386.html


憤るのも無理はない。昨年 12月に開催された市議会の予算委員会で、市が来年2月オープン予定の新図書館の開館準備に合わせ「ダミー本を3万5000冊分、約152万円で購入」することを明らかにしたからだ。
「ダミー本」とは、ダンボールでできた中身が空洞の偽物の本のこと。マンションのモデルルームなどで、部屋のインテリアをオシャレに演出するために使われる洋書風の小道具といえば、イメージしやすいだろう。その偽物の本を、よりによって新設する公共図書館に3万5000冊分も入れる計画というのだ。 


ダミー本は新聞にも掲載され話題になり撤回されました。
しかしこれで終わりではなかったのです。

ツタヤ図書館、お飾り用の読めない洋書購入に巨額税金投入…高さ9mの棚に固定
文=日向咲嗣/ジャーナリスト
Business Journal 
Business Journal  2017.04.22

http://biz-journal.jp/2017/04/post_18813.html


 だが、この図書館では、さらに驚くべき事態が進行していた。
 3月上旬、3万5000冊のダミー本を購入する件について、筆者が周南市に問い合わせをしたとき、担当者からなぜか「洋書のことですか?」と聞かれた。そのときは、図書館の蔵書として洋書も入れるのだろうと漠然ととらえていた。ところが、担当部署と市議会関係者に取材してみると、洋書も「本に囲まれた圧倒的な空間づくりのため」と、ダミー本と同じ目的で購入すると明言したのだ。

「洋書を配置するのは、吹き抜け部分の超・高層書架部分です。高さは8.8メートル。うち高さ3.8メートルまでは、一般の蔵書を配架します。それよりも上の高さ5メートル、横17メートル、14段、延べ247メートルにわたって、すべて装飾用の洋書を固定して配置する計画です」(周南市中心市街地整備課)
 これらはすべてCCCの提案によるもので、「本に囲まれた圧倒的な空間演出」のためだという。

装飾用の洋書購入も中止になったようですが、代わりに利用者が閲覧できない高所まで本がぎっしり入っているように見えるアート書棚1千万円かけてわざわざ作らせたようです。

 「コスト意識を持ちながら準備する」と装飾用の洋書購入より2百万円安くした(カッコ内は市長答弁)。

2018年2月3日、開館に至りました。

ツタヤ図書館、1千万円の装飾は仕掛け?無駄遣い?
川本裕司  朝日新聞社会部記者
朝日新聞  2018年2月10日12時48分

https://www.asahi.com/articles/ASL1Z5QZQL1ZUTIL03W.html


ツタヤ図書館、利用できない書棚に1000万円
オープンした山口県周南市立図書館、「本に囲まれた空間」の装飾に支出
川本裕司 朝日新聞社会部記者
朝日新聞 2018年02月20日

http://webronza.asahi.com/national/articles/2018021800004.html?ref=chiezou


山口県周南市で、レンタル大手のTSUTAYA(ツタヤ)を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が管理を代行する公立図書館が2月3日、開館した。館内の吹き抜けに設けられる、利用者が使えない「アート書架」の内装に約1000万円を費やされている。「本に囲まれた空間」のための装飾の出費には賛否がわかれ、図書館の運営のあり方についての議論も広がっている。

総事業費は約55億円机などを含めた内装全体では8900万円をかけた。CCCには指定管理費として年間約1億5000万円が支払われる。

産経は淡々と扱いました。

周南のツタヤ図書館が徳山駅ビルに開館 全国5例目
産経ニュース 2018.2.4 07:08更新

https://www.sankei.com/region/news/180204/rgn1802040021-n1.html

新・徳山駅ビル「蔦屋図書館」、2月3日開業-「駐車場1時間無料」で活性化に期待
都市商業研究所 2018年1月29日

http://toshoken.com/news/12090

 駐車場1時間無料で活性化に期待? 苦笑を禁じ得ません。本好きなら1時間はあっという間に過ぎてしまって、コーヒーを飲んだりする時間はとても残りません。私なら1時間以内に本を選んでさっさと帰ります。コンビニのコーヒーはそれなりの味でも安いし、駐車場が無料のカフェは地方にはいくつもありますね。借りた本を持ってそちらへ行けば時間を気にせずくつろげます。 

 CCCが指定管理者の周南市立徳山駅前図書館(山口県)が開館カレントアウェアネス Posted 2018年2月5日
http://current.ndl.go.jp/node/35425


 徳山駅前賑わい交流施設及び徳山駅前図書館は、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(CCC)が指定管理者となっています。この交流施設には、同図書館のほか、蔦屋書店、スターバックスコーヒー、交流室、市民活動支援センター、飲食施設などが入居します。

図書館で借りた本を、ファミリーマートで返却できる!
周南市立徳山駅前図書館 貸出本返却サービス開始!
市内2店舗のファミリーマートに、返却ポストを設置
Family Mart ニュースリリース 2018年02月01日

http://www.family.co.jp/company/news_releases/2018/20180201_01.html


 

#図書館  #和歌山市 #TSUTAYA #CCC #TRC #指定管理 #ツタヤ図書館
#和歌山市民図書館 #カルチュア・コンビニエンス・クラブ 
#ダミー本

2018年5月14日月曜日

4館目は岡山県高梁市立図書館

ツタヤ図書館の4つ目、岡山県高梁(たかはし)市の新図書館は2017年2月4日オープンしました。前からあった高梁市図書館が、JR備中高梁駅に隣接する複合施設内に新築移転して開館したものです。
高梁市の人口は2017年1月末時点で 31,861。

高梁市立図書館 (図書館サイト)
https://takahashi.city-library.jp/library/

 高梁市が市立図書館の駅付近への移転とCCCへの指定管理を決めた理由は市のウェブサイトに書かれています。

 駅前複合施設整備に向けたカルチュア・コンビニエンス・クラブ(株)との基本合意締結について
岡山県高梁市 掲載日:2015年1月23日
 (高梁市ウェブサイト)
http://www.city.takahashi.okayama.jp/soshiki/59/ccckihongoi.html

 少子高齢化社会の中で人口減少や都市部への人口流出が進展していることも事実であり、これに歯止めをかけ本市の都市像である「住みたい」「住み続けたい」街の実現を目指していくため、子どもから高齢者まで全ての市民が、生涯を通じてそれぞれのライフスタイルに応じ充実した教育を受けられる環境の整備、そして人が集い、楽しみ、交流のできる空間を提供することで街に賑わいを創出させ活性化を図っていきたいと考えています。市ではこれらの構想を具現化していくため、平成25年度に策定した「高梁市都市グランドデザイン」に基づいて都市空間の整備と再編に取り組んでいるところですが、特にJR備中高梁駅周辺市街地の活性化を図るため、ここに学びの場である図書館と賑わい・交流の場となる民間商業施設等が一体となった複合施設を建設することといたしました。
 (強調は私。考え方は和歌山市と同じです)

岡山県高梁市とカルチュア・コンビニエンス・クラブの「備中高梁駅前複合施設」整備の実現に向けた連携合意について
CCCニュースリリース 2015/1/23
http://www.ccc.co.jp/news/2014/20140123_004690.html

高梁市新図書館の指定管理者決定 ツタヤ展開のCCC大阪本社に
山陽新聞, 2016/3/18

http://www.sanyonews.jp/article/317130/1/

新しい図書館はこんな図書館
広報たかはし 2015年12月号(高梁市)
(ここをクリックするとPDFが開きます)

そして2017年2月4日に開館しました。

365日、朝9時から夜9時まで使える高梁市図書館 2017年2月4日開館
CCCニュースリリース 2017/2/3
http://www.ccc.co.jp/news/2016/20160203_005188.html

こちら(下)の記事には館内の写真が多数あります。

話題沸騰! おしゃれ過ぎる高梁市図書館に行ってみた。  
日刊Webタウン情報おかやま Posted 2017.02.03

https://tjokayama.jp/trip/23284/

開館後の来場者数は増えています。駅近ということもあるのでしょうか。

高梁市図書館 来館者50万人を達成 目標上回るペース /岡山
毎日新聞2017年10月30日 地方版

https://mainichi.jp/articles/20171030/ddl/k33/040/345000c

高梁市図書館 開館1周年 来館者、目標超える66万人 /岡山
毎日新聞2018年2月14日 地方版

https://mainichi.jp/articles/20180214/ddl/k33/040/499000c

しかし一方では、

ツタヤ図書館、強引にCCCへ委託先決めた市教委委員長が新館長就任か…
再び天下り人事疑惑
文=日向咲嗣/ジャーナリスト
Business Journal  2016.11.17

http://biz-journal.jp/2016/11/post_17202.html

 新聞報道等で、新図書館の館長として名前が挙がったのは、高梁市教育委員会の委員長だった藤井勇氏だ。教育委員としての任期は、2013年11月16日~17年11月15日までとなっていたが、任期を1年以上残して今年9月30日付で退任していた。
 さらに取材してみると、10年3月に同市内の小学校校長を定年退職した後は長年、地元教育界で活躍されていて、「10月1日からCCC社員として入社したと聞いています」(市議会関係者)とのこと。

(中略 全文は上記のリンクにて読めます)
 この点について高梁市社会教育課の担当者は、「教育委員会としては退職者の再就職にはとやかくいう立場にはない」と説明する。
 また、ある市議会関係者も、この人事について肯定的に話す。
「高梁市の場合、指定管理者を公募していないんです。基本合意を交わしてから、そのままきていますから、(市教委は)事業者選定にもかかわっていません。すでに教育委員を退任されているようですから、私は特に問題だとは思いません」


利用者にとってもっと重要なのはこちらでしょう。

ツタヤ図書館、利用者にTポイント付与&会員情報をCCCへ送信が発覚…市議会に波紋
文=日向咲嗣/ジャーナリスト、

協力=山岸純/弁護士法人ALG&Associates執行役員・弁護士
Business Journal  2017.03.30

http://biz-journal.jp/2017/03/post_18505.html

 CCCが、市の委託を受けて同館の指定管理者となったにもかかわらず、市議会の承諾なしにTポイント制度を導入していた。この事件は、高梁市議会関係者たちにも少なからぬ衝撃を与えた。
(中略 全文は上記のリンクにて読めます)
 このような経緯から、市議会関係者の多くは「利用者の希望によって、Tカードも使えるが、ポイント付与はしないため個人情報の問題は起きない」と受け止めていた。
 それにもかかわらず、実際に新図書館がオープンすると、「Tカードで自動貸出機を利用した場合に限り、Tポイントが1日1回3ポイント付与される」ことになっていた。これについて、市議会関係者は“騙し討ち”だと憤る。


 Tカードを図書利用カードとして提示したときに、どんな情報が送信されるのだろうか。その点をまとめたのが下の図である。
http://biz-journal.jp/2017/03/post_18505_2.html で表示されます)


 利用者に付与されるポイントは、もちろん市がCCCに払う指定管理料から出る。つまりは税金だ。高梁市がCCCに依頼しているのは図書館運営であって、それとはまったく関係ない私企業のポイント事業への支出は、理由のない利益供与にあたるので即刻やめるべきだと主張する図書館関係者もいる。

ツタヤ図書館、市が否定した利用者へのTポイント付与を実施…
税金でCCCへの利益供与に該当か
文=日向咲嗣/ジャーナリスト
Business Journal  2017.04.17

http://biz-journal.jp/2017/04/post_18728.html

 ポイントを付与される市民が利益を享受していることは確かだが、その出所はどこかとたどっていくと、自治体がCCCに支払う指定管理料であることに気づく。当然、指定管理料の財源は市民の税金だ。つまり、市民に付与されたポイントは、元をたどれば自分の懐といえる。
 一方で、CCCサイドはどうなるだろうか。指定管理料からTポイント分を、Tポイントシステムを運営している自社の関連会社、TPJに払っている。1円の自腹も切っていないので、まったく損はない。


 この問題よりは先のTカードで自動貸出機を利用した時に「Tカード番号」「利用登録の有無」「利用日時」「ポイント数」が会員の個人情報を保有しているTポイントジャパンに送信されることの方が重要に思われます。記事の中で山岸純弁護士がこう述べられています。

  また、そもそものTカード」の目的は、『お買い物の際にその情報(どんなタイプの人がどんなお買い物をするか)を集めてビッグデータとして利用する』ことなので、肝心の『貸出履歴(どんな人が、どんな本を借りているかという情報)』が提供されない以上、本来のTカードの目的を達成していない状態です。
 では、なぜCCCがポイントを付けようという動機を持ったかですが、要するにTカードを図書館カードとして登録・利用してもらい、それをもってTカードの普及枚数を稼ぐための『広告戦略』または『おまけ戦略』なのでしょう。

(中略 全文は下記のリンクにて読めます)
 少なくともCCC側は、最終的には『貸出履歴(どんな人が、どんな本を借りているかという情報)』が欲しい、と考えていることは間違いないでしょうから、ここら辺がなし崩しにならないように監視していかなればならないと思います」ニュースサイトで読む: http://biz-journal.jp/2017/03/post_18505_3.html

なぜならCCCはこういうことを行っている企業なのです。


Tカード6500万人のデータを開放、CCCが新事業のアイデアを募集
アワードテクノロジー 2018/1/23 (TUE) 11:30
角田 貴広

https://www.wwdjapan.com/542955

CCCが仕掛ける5,200万人のビッグデータを活用したマーケティング戦略
WRITER : 楠富 智太
2015.02.16

https://abejainc.com/o2o/leading-edge-technology/bigdata/post-8128/

Tポイントの会員データ分析から企業は何を知るのか
柴田克己 2012年06月11日 16時43分

https://japan.zdnet.com/article/35018019/

ポイントをためることに熱心な人は若者や女性に多いのではないでしょうか。



#図書館  #和歌山市 #TSUTAYA #CCC #TRC #指定管理 #ツタヤ図書館
#和歌山市民図書館 #カルチュア・コンビニエンス・クラブ 
#高梁市立図書館


2018年5月13日日曜日

3館目は宮城県多賀城市立図書館

ツタヤ図書館の3つ目となったのは宮城県の多賀城市立図書館です。
2016年3月開館です。多賀城市の人口は2016年1月31日時点で62,234人です。 

宮城県多賀城市立図書館 (図書館のサイト)
https://tagajo.city-library.jp/library/

 公募ではなく市がCCC一社に企画提案を求め、その内容を評価採点し、指定管理者に決定したようです。採点結果は560点満点中381点(得点割合68%)でした。
 多賀城市は以下のように、決定に至る経緯、委託数r業務の範囲、CCCの企画提案の概要、運営の方針と理念、提案された職員体制、選定委員会からの意見、項目ごとの採点表をインターネット上に公開しています。
 さらに多賀城市図書館移転計画、図面、非公募による指定管理者の選定理由を記した文書、指定管理者応募要領、業務要求水準書も下記の場所(リンク先アドレス)で公開しています。
 この文書によればカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)を指定管理者に定めた根拠は「専門的又は高度な技術を有する法人」と判断したこと、武雄図書館の実績(約25万人で推移していた図書館入館者数が1年間で92万人(平成25年度実績)へと大幅に増加)を挙げています。確かに武雄図書館の初年度の実績はめざましいものでしたが、その後の利用者数は減少していますし、既に書いたような問題が発生しています。しかし、この選定が行なわれた平成26年にはまだそれらは知られていなかったのかもしれません。

 また、同社が指定管理者となったことについては、施設利用者の8割が賛意を示しているというデータもあります。
さらに、同社が指定管理業務を行っている武雄市図書館が生み出した経済効果は、年間20億円、全国ネットのテレビ等への出演による同市の宣伝・広告効果は16億円とされており、図書館の取組そのものが地域経済全体に好影響を与えています。 


とも書かれていますが、これもその時点での好意的な評価だけを元にしたものと言えます。

多賀城市立図書館指定管理者選定委員会の結果について  (多賀城市)
市発表の資料 (ここをクリックするとPDFが開きます)

上の多賀城市の資料公開が評価できるのはCCCからどのような提案があったのかの概要や市がどのような募集を行ったかが一般公開されていることです。和歌山市ではCCCが指定管理者に決まった後で行った情報公開請求でCCCの提案内容の開示は実質却下されました。図面を含む全ページが黒塗りで回答されました。このことについてはいずれ書きます。

3館目の「TSUTAYA図書館」が多賀城市にオープン 武雄市や海老名市との違いは?
ハフィントンポスト Chika Igaya

2016年03月20日
https://www.huffingtonpost.jp/2016/03/20/tagajo-shi_n_9509504.html

来場者数においては初年度は成功をおさめたようです。

多賀城市立図書館 開館1年で154万人 目標上回る/宮城
毎日新聞2017年3月31日 地方版

https://mainichi.jp/articles/20170331/ddl/k04/040/184000c

このかたも私達と同じような懸念を覚えていたようです。

新しい多賀城市立図書館と蔵書ほか諸々 #公設ツタヤ問題
2015年9月21日
Soukaku's HENA-CHOKO Blog 
ブログ
https://www.downtown.jp/~soukaku/archives/2015/0921_224110.html

 また、図書館の重要なタスクである「郷土資料の収集と保管管理」も問題なく行えるのでしょうか?
 武雄市では、DVD などの視聴覚資料の除籍と同時に、武雄市図書館にしか保管されていなかった郷土資料も除籍されたことがわかっています。郷土資料は、後々入手が不可能になるものが多いものであることが多いようで、武雄市が除籍してしまった資料の中にあった「みお」という雑誌は、佐賀県立図書館に合本があるだけとなってしまったのだとか。

 情報を出しし渋るような傾向は、武雄市や海老名市でも見られることのようで、CCC が指定管理者として入り込んだ自治体での共通事項になっているような気がしますけど、どういうことなんでしょうね。 (ブログ記事より)


ツタヤ図書館、市側の元図書館協議会会長がCCC天下り疑惑…新館長に就任
文=日向咲嗣/ジャーナリスト
Business Journal 2016.02.06

http://biz-journal.jp/2016/02/post_13674.html

開館後、市立図書館の管理者を選定する市の協議会会長を務めた人物がCCCが指定管理者になった後で公務員職を定年退職し、その後なぜかCCCに入社し、新図書館の館長に就任しました。

ツタヤ図書館、市から「天下り入社」疑惑の新館長を直撃!「市長から声かけられた」
文=日向咲嗣/ジャーナリスト
Business Journal 2016.02.15

http://biz-journal.jp/2016/02/post_13802.html

この方は2016年10月末に早くも退職されることになりました。

 2016年10月26日 17時56分 JST
【TSUTAYA図書館】多賀城市立図書館の館長、「健康上の理由」で辞職へ
Chika Igaya

https://www.huffingtonpost.jp/2016/10/26/tagajoshi-lib_n_12652966.html

 その後5カ月間、館長不在が続きましたが市教育委員会はCCCに対し館長の給与分相当額を指定管理料から減額しなかったため、CCCに対して返還を求めるよう住民監査請求が行なわれました。

<多賀城市立図書館>館長5ヵ月不在給与分の減額を 市民団体が監査請求
河北新報 2018年04月06日

https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201804/20180406_13037.html

 宮城県多賀城市立図書館の指定管理者「カルチュア・コンビニエンス・クラブ」(CCC、東京)への指定管理料のうち、5カ月間不在だった前館長の給与分を減額しなかったのは不当だとして、同市の市民グループは5日までに、市教委に返還請求するよう求める住民監査請求をした。
 グループの佐俣主紀代表によると、前館長が2016年10月に病気で辞職してから、17年3月まで館長不在の状態だった。
 市監査委員に提出した監査請求書でグループは、市教委が指定管理料から給与分の返還を求めず、館長の長期不在を放置したのは図書館法に照らして過ちだと指摘した。5カ月分の給与は約300万円と推定されるという。
 市教委は、館長不在時はCCCの裁量で副館長やマネージャーらが分担してサービスの要求水準を満たす「性能発注方式」で委託にしており、役職別の給与額も指定していないとして返還を求めていないという。
 住民監査請求を受け、市生涯学習課の中野裕夫課長は「真摯(しんし)に受け止めて対応する」と話した。 (記事より)



多賀城市図書館でも選書に関わる問題や疑惑が発覚しました。

新ツタヤ図書館でまた重大問題発覚!中古本を大量一括購入、本をただのインテリア扱い
文=日向咲嗣/ジャーナリスト
Business Journal 2016.05.26

http://biz-journal.jp/2016/05/post_15246.html

ツタヤ図書館、古本を法外な高値で大量購入!
市は適正価格確認せずCCCの言い値で購入
文=日向咲嗣/ジャーナリスト
Business Journal 2016.06.04

http://biz-journal.jp/2016/06/post_15360.html

ツタヤ図書館、廃棄した本より「古い実用書」大量購入が発覚!
多額税金使いCCCの言い値で
文=日向咲嗣/ジャーナリスト

Business Journal 2016.06.27
http://biz-journal.jp/2016/06/post_15642.html

ツタヤ図書館、ついに不信強める市が大量「古本」選書を拒絶!
CCC関連会社から大量購入
文=日向咲嗣/ジャーナリスト
Business Journal  2016.07.03

http://biz-journal.jp/2016/07/post_15733.html

料理本など中古本大量購入のツタヤ図書館に年3億税金投入!
市が危機感で6千冊追加購入
文=日向咲嗣/文=日向咲嗣/ジャーナリスト
Business Journal  2016.07.05

http://biz-journal.jp/2016/07/post_15768.html

ツタヤ図書館 古本を市場価格の9倍で大量購入の疑い…
1冊ごとの価格精査せずどんぶり勘定
文=日向咲嗣/ジャーナリスト
Business Journal  2017.01.14

http://biz-journal.jp/2017/01/post_17722.html

ツタヤ図書館、「新刊」選書内に大量の中古本混入の疑惑…選書リストに価格表記なし
文=日向咲嗣/ジャーナリスト
Business Journal  2017.02.15

http://biz-journal.jp/2017/02/post_18034.html

ツタヤ図書館、旧CCC関連会社のデータを基に選書リスト作成か…
「新刊」に中古本混入か
文=日向咲嗣/ジャーナリスト
Business Journal  2017.06.12

http://biz-journal.jp/2017/06/post_19413.html

 かつてCCCのグループ企業であったネットオフの販売データと符合(上記3ページ)。
武雄図書館ではCCCは不適切な選書が問題となった後で「ネットオフ等より商品リストを事前に確認のうえで購入」と、仕入れ先であることを明かしている

ツタヤ図書館、古い本を大量に「新刊」として定価で購入の可能性
文=日向咲嗣/ジャーナリスト
Business Journal  2017.08.06

http://biz-journal.jp/2017/08/post_20081.html

 上の方に記載した多賀城市が公開しているCCC選定に関する資料には、CCCからの提案として、選書(図書の購入)に関して中古資料(新古書等)の購入が提案されています
過去に中古本の購入が発覚したのであらかじめ提案に入れておいたのでしょうか。

 今回の提案では、指定管理者が有するネットワークや独自の販路によって中古資
料(新古書等)の購入も可能であり、全体的に購入費を抑え限られた予算を効率的
に執行することができる
といった旨の提案がありました。
      資料の購入に関しては、指定管理料の中に一定数の購入目安を提示した上でそれ
に要する費用を含めることとなりますが、指定管理者が独自の方策によって安価に
購入することが可能となった場合、予算額と執行額に差が生まれることも考えられ
ます。

 資料購入費は、市民の財産となる図書館資料を購入するための費用であり、その
購入の方法によって執行残額が生じたとしても、これは指定管理者の利益とは言い
難い側面もあることから、資料購入費は精算対象経費に位置付けることとします

 (強調は私)
 中古本や新中古本購入によって購入費が安く抑えられるのなら、その分より多くの図書を購入するか、余った金額を市に返還すべきです。

 TカードについてもCCCからこのような提案がなされています。

(3) 図書館カードについて
 指定管理者候補者からTカードでも図書館を利用可能にしたいという旨の提案が
ありました。

 Tカードは、国民の約3割に相当する4,800万人が利用しており、このカー
ドを図書館カードとして利用することを可能とした場合、利用者の利便性向上が期
待できること、独自の図書館カード発行費用の抑制につながることが考えられます。
 このため、図書館カードは、独自に発行する利用カードを基本としますが、利用
者の選択によりTカードでも図書館を利用することができる環境を整えます。

 なお、Tカード利用時の情報セキュリティについては、指定管理者候補者が定め
ることとなるTカードでの図書館利用に関する規約及びT会員規約により、その安
全性は確保されるものと考えています。

 また、図書館利用に際しては、Tポイントは付与しません。

 (強調は私)
「Tカード利用時の情報セキュリティについては、指定管理者候補者が定め
ることとなるTカードでの図書館利用に関する規約及びT会員規約により、その安
全性は確保されるものと考えています。」 は認識が甘すぎるのではないでしょうか。

ツタヤ図書館、税金を使ってTカード会員勧誘…貸出カード作成者に勧誘DM
文=日向咲嗣/ジャーナリスト
Business Journal  2016.03.27

http://biz-journal.jp/2016/03/post_14420.html

ツタヤ図書館、不正会計発覚…
利用者からの弁償金を放置し公金支出、レンタル店の方式採用か
Business Journal  2018.03.14

http://biz-journal.jp/2018/03/post_22653.html

Tカードでの多賀城市立図書館利用に関する規約
  多賀城市教育委員会
  カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社
  2016年2月23日

https://www.ccc.co.jp/customer_management/member/agreement-tagajoshilibrary/index.html

そしてツタヤ分類 

ツタヤ図書館、メチャクチャな配架問題…
郷土資料が「世界史」棚の手の届かない場所に、現代文学と古典が混在
文=日向咲嗣/ジャーナリスト
Business Journal  2017.01.19  
(写真あり)
http://biz-journal.jp/2017/01/post_17772.html


多賀城市立図書館は「量産型ツタヤ図書館」になれるか
畳之下新聞 ブログ 2016-3-21

http://nukalumix.hateblo.jp/entry/tsutaya_zaku



#図書館  #和歌山市 #TSUTAYA #CCC #TRC #指定管理 #ツタヤ図書館
#和歌山市民図書館 #カルチュア・コンビニエンス・クラブ
 #多賀城市立図書館



2018年5月12日土曜日

住民投票で白紙撤回の愛知県小牧市

 3つ目のツタヤ図書館になったかもしれないのは愛知県小牧市です。しかし、ここは武雄図書館と海老名市図書館が物議を醸したせいか、早くから反対の声が上がりました。

武雄市図書館の選書でCCCが異例の「反省」 
愛知県小牧市「TSUTAYA図書館」計画は住民投票へ
ハフィントンポスト Chika Igaya
2015年09月10日

https://www.huffingtonpost.jp/2015/09/10/takeoshi-ccc_n_8117678.html

愛知県小牧市では、CCCなどと提携して新図書館建設計画が進められているが、市民らから反対の声が上がっている。これを受け、小牧市議会で9月10日、計画の賛否を問う住民投票条例が可決。10月4日の市議選と同日に実施される。(記事より)

 住民投票の結果は建設反対が過半数となりました。新築計画だったため、2015年1月の人口が約15万3千700人の小牧市が42億円という多大な建築費を支出することに対する反対が多かったのかもしれません。

TSUTAYA図書館に「NO!」 愛知県小牧市の住民投票で反対多数
安藤健二 The Huffington Post
2015年10月04日

https://www.huffingtonpost.jp/2015/10/04/tsutaya-libraly-komaki_n_8242078.html

小牧市は図書館の老朽化を受けて、既存の商業施設内に新規開設するとしていたが、2014年になって計画を変更。「TSUTAYA」を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の助言を受けて、名鉄小牧駅近くに建設するとの新計画を発表した。「TSUTAYA図書館」として話題を呼んだ佐賀県武雄市の図書館と同様に、書店やカフェを併設するもので、建設費は42億円。2018年の開館を目指していた。(記事より)

TSUTAYA図書館を白紙撤回、愛知県小牧市
安藤健二  The Huffington Post
2015年10月20日

https://www.huffingtonpost.jp/2015/10/20/tsutaya-libraly-vanished_n_8336364.html

マスメディア的には「ツタヤ図書館問題」は始まったばかりだThe Huffington Post 2015年10月04日
藤代 裕之 ジャーナリスト
  
https://www.huffingtonpost.jp/hiroyuki-fujishiro/tsutaya-library-media_b_8241904.html



#図書館  #和歌山市 #TSUTAYA #CCC #TRC #指定管理 #ツタヤ図書館
#和歌山市民図書館 #カルチュア・コンビニエンス・クラブ 

2018年5月11日金曜日

ツタヤ図書館その2 海老名市立中央図書館

 全国で2つ目に開館した「ツタヤ図書館」は神奈川県の海老名市立中央図書館です。
こちらは既存の建物が改装し、2015年10月1日にオープンしました。
海老名市の人口は2015年10月1日時点で130,190人です。

海老名市立中央図書館 (図書館サイト)
https://ebina.city-library.jp/library/

神奈川県・海老名市立中央図書館がオープン! 関東初のTSUTAYA図書館の全貌
マイナビニュース 2015/10/01  
(館内の写真あり)
https://news.mynavi.jp/article/20151001-a284/

海老名市立中央図書館 2015年10月1日リニューアルオープン
CCC ニュースリリース
2015年10月01日

https://www.ccc.co.jp/news/2015/20151001_004839.html

 ここはカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(CCC)と、株式会社図書館流通センター(TRC)が共同事業体として初めて運営する図書館でした。

海老名市立中央図書館がリニューアル。カフェスペースや空間を活かした新しい読書体験を提案
2015.10.5 (月) 11:52

http://top.tsite.jp/lifestyle/lifetrend/i/25712784/index

  スターバックスも併設!多様な利用者を意識したフロアづくり
 プラネタリウムのドームを活かした4階「こどもとしょかん」
 図書の返却はコンビニでも可能! (記事より)

しかし、この図書館は選書(購入図書選び)でオープン前から紛糾しました。

不適切図書混入の疑い 海老名市立中央図書館 指定管理目前
選書でつまづき 市教委 確認に追われ
カナロコ 2015年9月15日 

http://www.kanaloco.jp/article/123579

 10月1日にリニューアルオープンする海老名市立中央図書館(同市上郷)で、新規購入予定の図書に発行の古い本など不適切な本が含まれている のではないかという指摘があり、市教育委員会が確認に追われている。(記事より)

海老名市立図書館、選書やり直しへ 武雄市図書館問題が「飛び火」
ハフィントンポスト Chika Igaya
2015年09月18日

https://www.huffingtonpost.jp/2015/09/18/ebinashi-library_n_8157396.html

 海老名市立中央図書館は、CCCが指定管理者となった2館目の図書館として、10月1日にリニューアルオープンを控えているが、新たに強化する蔵書1万冊の選書リストが9月17日から18日にかけて行われた海老名市議会の一般質問で明らかになった。その中には、武雄市図書館の蔵書と同じように、古い雑誌や選定基準の対象外と思われる書籍が含まれていたため批判が集中。海老名市教育委員会の伊藤文康教育長は9月18日、「一時凍結して、選書をやり直す」と答弁、市民に疑念を持たれたことについて謝罪した。(記事より)


書棚に「タイ夜遊び地図」 海老名市立中央図書館で不適切図書
カナロコ 2015年10月6日

http://www.kanaloco.jp/article/125932

 市議が市教育委員会から入手した約7100冊の新規購入本リストの中に タイ・バンコクの歓楽街などを紹介するガイド本3冊あったことが発見されました。そのうち一冊には風俗店が女性の写真入りで掲載され、利用法も詳しく解説されていました。
 図書として購入する本選びをCCCとTRCに「お任せ 」にしてはいけないことが市にもわかったようです。
 
 海老名TSUTAYA図書館“女体盛り”本を含むポリシーなき選書
2015.10.15  週刊朝日https://dot.asahi.com/wa/2015101400050.html

 司書の有無さえ疑われるが、この図書館には司書資格を持ったスタッフはいるものの、
長年勤務し、市民のニーズを理解するベテランスタッフはわずかだという。

 (記事より・強調は私)

“海老名ツタヤ図書館”の内幕 新たな疑惑に市民が激怒
2015.10.7 07:00週刊朝日

https://dot.asahi.com/wa/2015100600103.html?page=1

 本誌(10月9日号)で報じたように、海老名市ではオープン直前になって“お粗末な選書”が発覚。
 CCCが提出した約8300冊の追加購入予定リストの中に、メガネクロス調理器具付きのムック本など、図書館として不適切とされるモノが含まれていた。
 市がリストを精査して約7100冊を購入したが、一部は発注が直前となって間に合わなかった。この日、記者が確認したところ、疑惑の本は無事、精査されていたようだが、油断は禁物。 
(記事より・強調は私)

その後、図書館の本の分類法が話題を呼びました。

東野圭吾の小説『手紙』は手紙の書き方コーナーに 海老名TSUTAYA図書館の怪
2015.10.15 週刊朝日

https://dot.asahi.com/wa/2015101400051.html?page=1

 図書館の多くは「日本十進分類法」(NDC)で蔵書を分類しているが、海老名では独自のジャンル分けを採用。それはあまりに斬新すぎる分類だった。
「一部は修正されましたが、三島由紀夫の小説『金閣寺』は国内旅行コーナーに東野圭吾の小説『手紙』は手紙の書き方コーナーにジャンル分けされ、めちゃくちゃ。本の知識が全くないのか、機械的にタイトルだけ見て分類したのか、笑えるくらいずさん。強い憤りを感じます」(60代の海老名市民)   
(記事より・強調は私)

旧約聖書「出エジプト記」が旅行ガイド? 
海老名市立図書館の配架がちぐはぐすぎて不安視する声  
2015年10月04日
  ねとらぼ
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1510/04/news016.html

「伊勢物語」「奥の細道」のいくつかが同様に「旅行」に分類されていたり、有川浩さんの小説「阪急電車」「趣味実用/鉄道」になっていたりと首をひねるものがあります。
蔵書検索だけでなく実際の書棚でも、国内旅行の中国・四国地方カテゴリに中国の漢詩やイザベラ・バードの「中国奥地紀行」が並んでいたりと混乱が見られるようです。
(記事より)

「海老名市図書館風に分類してみる」 痛烈皮肉のツイートが続々
 https://withnews.jp/article/f0151006002qq000000000000000G0010901qq000012587A
旧約聖書・出エジプト記を調べてみると「旅行/海外旅行/アフリカ/エジプト」に分類されている
カニバリズムについての研究書「図説食人全書」「料理」のジャンルに含まれていることも…  
(記事より・強調は私)

 一連のネガティブな報道を受けてか、CCCとTRCは開館直後にもかかわらず、協力関係を解消する方向で検討すると発表しました。
しかしその発表は間もなく撤回されました。

TSUTAYA図書館と「理念あわなかった」 図書館流通センターがCCCと関係解消へ
ハフィントンポスト Newsroom
2015年10月28日

https://www.huffingtonpost.jp/2015/10/27/tsutaya-ccc-trc_n_8396072.html

TSUTAYA図書館】図書館流通センターが一転 CCCとの共同運営を継続する「理由」
ハフィントンポスト Chika Igaya

2015年10月30日
https://www.huffingtonpost.jp/2015/10/30/trc-ccc_n_8435388.html

 両社は市長あてに海老名市及び海老名市民に多大なる心配と迷惑をおかけしたことを文書で謝罪し、CCC独自の「ライフスタイル分類」は改善しながら継続して行くと発表しました。

 選書については、CCCとTRCの司書が2人ずつで構成される選書委員会を設置。海老名市立図書館の選書基準により選書を行い、海老名市立中央館長(CCCの高橋聡図書館カンパニー長)と分館である有馬図書館長(TRCの松田彰館長)、両館の統括館長(TRCの谷一文子会長)が決定する。 (記事より)

TSUTAYA図書館は何を目指すのか? CCCの責任者が語る現状と「未来」ハフィントンポスト Chika Igaya
2015年11月11日

https://www.huffingtonpost.jp/2015/11/11/tosyokan-sogoten_n_8535910.html

 カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の図書館カンパニー長の高橋聡さんが11月11日、横浜市で開催された図書館総合展のフォーラムに登壇。両館の現状を報告するとともに、CCCが手がける「TSUTAYA図書館」は今後、何を目指すのかを語った。(記事より) 

 TSUTAYA図書館の選書問題が揺るがす「図書館の自由」 
"不適切図書"は誰にとって不適切?ハフィントンポスト Chika Igaya
2015年12月25日
https://www.huffingtonpost.jp/2015/12/24/tsutaya-lib_n_8874158.html

ハフィントンポストは当時この海老名図書館を継続的に追っていたようです。
次に現れたのは プライバシーに関する懸念です。 

【TSUTAYA図書館】海老名市立図書館の"貸出カード"を作ったら、ダイレクトメールが届くのはなぜ?
ハフィントンポスト Chika Igaya

2016年02月11日
https://www.huffingtonpost.jp/2016/02/10/t-point_n_9199594.html?1458458120
 (前略) 投稿された画像によると、ダイレクトメールはCCCからで、図書館とは直接関係のない学習塾の冬期講習の案内だった。
 自宅の住所や貸出履歴が、図書館外に流出しているのではないかと心配した利用者が市役所に問い合わせたところ、「Tポイントやダイレクトメールに関して市役所は一切関係ないので嫌ならT カードに連絡してダイレクトメールを止めてもらうなりカードを解約するなりしてください」と言われたという。 (記事より) 

【TSUTAYA図書館】CCCが「Pマーク」を返納、利用者の個人情報はどうなる?
Chika Igaya
ハフィントンポスト 2016年02月12日
https://www.huffingtonpost.jp/2016/02/11/p-mark_n_9215856.html

神奈川県・海老名市立図書館で、新たな問題が起きている。
CCCが2015年11月、プライバシーマーク(Pマーク)を返納したのだ。Pマークとは、その企業や団体が個人情報などを適切に扱っていることを第三者が認証する制度。CCCは返納後も、「従来のセキュリティレベルは維持・継続するとともに、より強固な環境にするよう努める」としているが、海老名市では、図書館の指定管理者を募集する際、「Pマークの所持」を応募資格としていた。 (記事より・強調は私

指定管理から1年後の評価は?


海老名市「ツタヤ図書館」終らぬ論争
カナロコ 2016年10月6日

http://www.kanaloco.jp/article/203985

海老名「ツタヤ図書館」70点 リニューアル1年で教育長
カナロコ 2016年10月6日

http://www.kanaloco.jp/article/204069

 リニューアルオープンする際に行政手続きに問題があったとして、市民グループが告発を検討し、市民2人が指定管理の取り消しを求めて住民訴訟に踏み切りましたが横浜地裁に却下されました。

ツタヤ図書館巡り告発検討 海老名で市民グループ
カナロコ 2016年12月23日

http://www.kanaloco.jp/article/220683

ツタヤ図書館訴訟 住民側の訴えを却下  横浜地裁判決
カナロコ 2017年1月31日

http://www.kanaloco.jp/article/228176

こんな記事も

TSUTAYAが運営受託する海老名市立中央図書館に感じる猛烈な違和感
文/神足裕司【連載第30回】 週刊女性PRIME
2015/12/12

http://www.jprime.jp/articles/-/6538

TSUTAYA図書館に協業企業が呆れた理由
CCCとの公立図書館運営の協業見直しへ
杉本 りうこ : 東洋経済 記者

https://toyokeizai.net/articles/-/90216

引用の記事は発表当時のもので必ずしも現状を表すものではありません。


#図書館  #和歌山市 #TSUTAYA #CCC #TRC #指定管理 #ツタヤ図書館
#和歌山市民図書館 #カルチュア・コンビニエンス・クラブ 



2018年5月10日木曜日

佐賀県武雄市図書館 ここから始まった

 和歌山市民図書館がCCCを指定管理者にんだ、いわゆる「ツタヤ図書館」となることを選択した流れを見て行く前に、他の「ツタヤ図書館」を見て行く方がいいような気がして来ました。それはどういうものなのか。
 全国最初の「ツタヤ図書館」は佐賀県武雄市図書館で2013年4月1日に開館しました。
 この図書館のオープンには当時の樋渡 啓祐(ひわたし けいすけ)市長が深く関わっています。この市長がいなかったら武雄市図書館がツタヤ図書館になることもなかった可能性は高いかもしれません。(いずれどこかが同じことをやったとは考えられますが。)
  樋渡氏は武雄市に生まれ東京大学を卒業後、総務省に入省。2006年に武雄市長に当選し、当時日本で現役最年少の市長になりました。ユニークで斬新な手法やトップダウン型の自治体運営で話題を集めたそうです。
 
 市民病院の民間移譲や武雄市図書館のリニューアル(「ツタヤ図書館」)などで民間業者を使う斬新な施策を実施し注目を集めたが、その手法が「独善的」「話題先行」などとして批判も受けた。(Wikipedia)
 Wikipediaには他にもいろいろ書かれています。

 武雄市の人口は2013年9月30日時点で50,645人です。

 樋渡氏は『沸騰!図書館 100万人が訪れた驚きのハコモノ』(角川oneテーマ21、発行2014年5月)という新書を出版されており、和歌山市民図書館にありましたので私の家族が好奇心から読んでみました。
 最初の方に著者は、図書館が好きなので夕方行ってみたら外はまだ明るいのに閉館してしまった(初夏だったのでしょうか)し、翌日行ってみたら閉まっていた(閉館日だったんでしょう)と憤慨し、 これはひどいと思われたようです。週に一日閉館日があるのは図書館だけでなく美術館や博物館や文化会館でも普通のことですし、けしからんと言うほどのことでしょうか。市民の強い要望があれば自治体直営でも開館時間の延長はできますし、現在の和歌山市民図書館でも行われています。
 また樋渡氏は著書の中で、館内で市民と会話していると職員から静かにするように注意されたことにも憤慨していました。
 樋渡氏のCCCへのラブコールと政治主導によって武雄市図書館は「ツタヤ図書館」となることが決まりました。2000年10月に新築オープンしたばかりの前の図書館を改装して2013年4月に再オープンしました。以前から歴史資料館が隣接していました。

 佐賀県武雄市図書館  (図書館サイト)
https://www.epochal.city.takeo.lg.jp/winj/opac/top.do

中の様子はどんなでしょう。

 劇的! 武雄市図書館 ビフォー・アフター by TSUTAYA図書館の匠
 http://nukalumix.hateblo.jp/entry/before_after

 佐賀県武雄市図書館見学・ためい記
 静岡図書館友の会  草谷桂子

 (ここをクリックするとPDFが開きます)

  最初の頃は来館者が劇的に伸び、評判は良かったのです。好意的なメディアの報道で注目を集め、全国から視察が相次ぐようになりました。 和歌山市からも行っています。

 「地方自治でできないことはない」樋渡啓祐・武雄市長インタビュー
図書館革命を超えて“公共空間革命”へ
[2013.08.26]

https://www.nippon.com/ja/people/e00047/

しかし開館当初からこのような懸念もありました。

「Tカード利用」武雄市図書館がオープン 個人情報保護に問題はないか
弁護士ドットコム ニュース
2013年04月10日 17時54分

https://www.bengo4.com/other/1146/1307/n_298/

 やがて不適切な選書(購入図書の選択)等が見つかりました。

 武雄市図書館が開館前にDVDを大量除籍 「館内併設のTSUTAYAに配慮?」との疑問の声に武雄市は否定
ハフィントンポスト 2014年04月24日 Chika Igaya

https://www.huffingtonpost.jp/2014/04/24/takeoshi_n_5203682.html

  10年以上前のExcel本や「公認会計士受験本」・・・ 
武雄市図書館はTSUTAYAの「在庫処分」なのか
Jキャストニュース 2015/8/12 15:27

 https://www.j-cast.com/2015/08/12242571.html?p=all

 武雄市長はホームページでおわびを発表しました。
http://hiwatashishachu.jp/blog/1188/
武雄市図書館リニューアルオープン時の蔵書購入について

 CCCは、教育委員会の指示により、2056万円の蔵書購入費を756万円に圧縮し、緊急に発生した 安全対策費用を捻出しておりました。その捻出に当たってのプロセスについては武雄市教育委員会も了解をして進めておりました(CCCの発表資料はこちらです。)。
 この決定プロセスについては、教育委員会及び現場に委ねており、当時の行政の最高責任者である私が詳細まで関知していなかったことについて、反省の上、お詫び申し上げます。


この頃から批判的なニュースが増えます。
「ツタヤ図書館」逆風 利用者3・6倍もトップダウンへの反発? 佐賀・武雄市
産経新聞WEST 2015.10.8

https://www.sankei.com/west/news/151008/wst1510080015-n1.html

ツタヤ図書館、契約ずさんとして住民が訴訟!市が住民の情報開示要求を拒否!
深まる不信
文=日向咲嗣/ジャーナリスト

Business Journal 2015.12.09
http://biz-journal.jp/2015/12/post_12797.html


ツタヤ図書館、市が全小学生にTカード加入の勧誘疑惑?教育委員会「問題ない」
文=日向咲嗣/ジャーナリスト
Business Journal 2015.12.18

http://biz-journal.jp/2015/12/post_12933.html

 2015年1月、 樋渡氏は自民党の推薦を受けて佐賀県知事選に出馬するも落選し、2015年にCCCが設立した子会社「ふるさとスマホ株式会社」(後に株式会社TSUTAYAに吸収合併され解散)の代表取締役社長に就任したのです。なんという転身!

樋渡啓祐・前武雄市長、CCC子会社の社長に就任
Jキャストニュース 2015/7/29 12:25

 https://www.j-cast.com/2015/07/29241397.html

衝撃事実発覚 あの樋渡前武雄市長がツタヤ関連企業に天下り!
牧野めぐみ 週刊朝日 2015年8月21日号 

https://dot.asahi.com/wa/2015081200005.html?page=1

批判多数のTSUTAYA運営武雄図書館 市教委は「わからない」
NEWSポスト 2015.08.27 (女性セブン2015年9月10日号)

http://www.news-postseven.com/archives/20150827_346090.html


ツタヤ図書館を誘致した市長が子会社入社、収賄罪に該当か 
10年前の欧州サッカー本入荷
文=日向咲嗣/ジャーナリスト
Business Journal 2015.12.21

http://biz-journal.jp/2015/12/post_12968.html

 樋渡氏が市政を去った後も武雄図書館は継続し、住民訴訟に発展しました。オープンから5年間で当初契約の指定管理費用の他に10億円が市税から支出されました。
2017年10月1日にはかつての歴史資料館が「こども図書館」になってオープンしました。歴史資料はどこへ行ったのでしょう?

 (佐賀)武雄市こども図書館が10月1日に開館
朝日新聞 九州 2017年9月30日03時00分

https://www.asahi.com/articles/ASK9Y3PPJK9YTTHB001.html

しかし、2017年12月には新たな5年間の指定管理継続が議会で決定しました。

武雄市図書館の運営CCC継続、来年度以降の5年間
読売新聞 九州発 2017年12月22日

http://www.yomiuri.co.jp/kyushu/life/knowledge/20171222-OYS1T50037.html


 興味のあるかたはこちらもどうぞ

佐賀県武雄市・樋渡啓祐市長インタビュー【前編】
やっぱり政策は商品だ 理念なんてあっちゃいけない
ダイヤモンド・オンライン編集部  2014.7.31

http://diamond.jp/articles/dol-creditcard/56858

佐賀県武雄市・樋渡啓祐市長インタビュー【後編】
僕は反対派を説得しない
仲間を増やして無力化する   

ダイヤモンド・オンライン編集部  2014.8.1
http://diamond.jp/articles/dol-creditcard/56911?page=6

引用の記事は発表当時のもので必ずしも現状を表すものではありません。


#図書館  #和歌山市 #TSUTAYA #CCC #TRC #指定管理 #ツタヤ図書館
#和歌山市民図書館 #カルチュア・コンビニエンス・クラブ #武雄市図書館

2018年5月9日水曜日

CCCとTRCという「巨人」たち

 このブログを書こうと決めて、既に持っている紙情報等の他にインターネットの情報探しを始めましたが、種田山頭火の「分け入つても分け入つても青い山」という句が浮かぶほど奥が深く、だんだん頭がクラクラして情報の中で溺れるような気持ちがして来ました。全部をご紹介するのは止めましょう。

 まず、この発表がありました。

和歌山市駅ビル建て替えへ 南海と和歌山市 新駅舎に図書館
ニュース和歌山2015年5月23日号
http://www.nwn.jp/news/2015052303si/

 ここからその後の流れを時系列に追って行きたいと思いますが、その前に、これから頻繁に出て来ることになるCCCTRCという2社についてまとめましょう。

 まずCCC 。これはカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社の略称で、この会社は和歌山でもよく見かける音楽CD・映画DVD・コミック等のレンタル事業や書店経営を行っているTSUTAYAの系列企業です。
 系列会社というのでTSUTAYAよりも小さな会社かとイメージしていましたが、そんなことはありませんでした。
 完全に信頼できるかどうかは別としてWikipediaを参照すれば、 こう書いてあります。

カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(Culture Convenience Club Company, Limited)は、TSUTAYA事業・蔦屋書店事業・出版事業等を担うCCCエンタテインメント株式会社、Tポイント事業及びマーケティングプラットフォーム事業を担うCCC マーケティング株式会社、生活提案事業及びT-SITEをはじめとする商業施設の企画運営を担うCCCデザイン株式会社、新領域開発を含むコミュニケーションデザインとコンサルティング事業を担うCCCクリエイティブ株式会社のCCCグループを統括する純粋持株会社である。

 この会社が描いている事業コンセプトはこういうものです。
「新しいライフスタイルを提案し、カタチにする」
カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社 会社紹介&エントリーページ
 (クリックするとサイトが開きます)

CCCのビジョンは「世界一の企画会社」

最初の企画としての「TSUTAYA」 
CCCがあってのTSUTAYAなのですね。TSUTAYAの方がCCCの系列企業のようです。

これが不安な気持ちにさせるのですが、
日本最大級のビックデータを使ったデータベース・マーケティング
 「CCC=TSUTAYA(CDやDVDのレンタル事業会社)」 というイメージを抱く方も多いかもしれませんが、加えて、Tポイントカードを活用した 「データベース・マーケティング企業」という側面も持っています。(サイトより)

そして
全くゼロから始めた図書館事業
これはサイトでは「いい意味」で使っているんです。図書館のイメージを新しく作って行こうという意味で。企画会社ですから。
武雄図書館の運営を始めた時、自分達は「ド素人だった」と悪びれずに認めているのです。

地域に根ざし、地方行政と共にまちづくりを目指す図書館事業では、
2013年佐賀県の武雄市の武雄図書館を皮切りに、神奈川県海老名市の海老名中央図書館
2016年には宮城県多賀市の多賀城図書館がオープン、 そして2017年岡山県高梁市に4館目となる高梁図書館を2月4日にオープンしました。
(サイトより)

 上記の図書館がどういう風になったかは、後でひとつずつ見て行きたいと思います。今ではもっと数が増えています。

 CCCについては検索するとさまざまな情報が出て来ます。この企業は常に新しい事業展開や新分野との提携を模索していることがわかります。
 昨年(2017)末には出版社の主婦の友社を買収しました。

 CCC、主婦の友社を買収 アマゾン対抗へ書店づくり急ぐ
 
日本経済新聞 電子版  2017/12/13 2:00

 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24544680S7A211C1TI1000/

最近では旭屋書店と資本提携(2018年4月)

 CCC、旭屋書店と東京旭屋書店と資本提携 (2018/4/24)
 https://www.shinbunka.co.jp/news2018/04/180424-02.htm

他にも

 ヤマト運輸とCCCが相互連携開始へ。宅急便にTポイントが利用可能に
 ECのミカタ編集部 2017/12/26 

 https://ecnomikata.com/ecnews/17410/

 メルセデス・ベンツ日本とカルチュア・コンビニエンス・クラブ、Tポイントサービス導入において契約締結
 2016年1月25日
  (ここをクリックするとPDFが開きます)


民泊紹介サイトの大手Airbnbと提携も。
 TSUTAYA運営のCCC、Airbnbの鍵受け渡し代行サービスをTSUTAYA・蔦屋書店で開始  (2018年2月)
 https://airstair.jp/ccc-airbnb/

Tカード6500万人のデータを開放、CCCが新事業のアイデアを募集 
アワードテクノロジー 2018/1/23 (TUE) 11:30
 https://www.wwdjapan.com/542955

 こういうことを目指している会社なのです。図書館管理のプロを目指しているというわけではありません。

興味のある方はこちらもどうぞ。

 MPD特別講義
CCC創業者、増田社長が語る TSUTAYAの構想と戦略
増田 宗昭 (カルチュア・コンビニエンス・クラブ 代表取締役社長 兼 CEO)

https://www.projectdesign.jp/201509/special-lecture/002433.php

かたやTRCとは 図書館の指定管理者としては全国大手の図書館流通センター株式会社
こちらも営利企業です。

 図書館流通センター とは (コトバンク)

 全国の図書館へ新刊図書およびAV資料を書誌データや図書館用装備を付けて提供する書店兼集中整理機関.日本図書館協会事業部の負債を引き継ぎ,1979(昭和54)年に設立.1993(平成5)年には学校図書サービスと合併し,社名を継承した.2010(平成20)年丸善株式会社と経営統合により,完全親会社CHIグループ株式会社(現 丸善CHIホールディングス株式会社)を設立.書誌データベースTRC MARCの累積件数は,2011年4月現在で累積約309万件,選書情報として『週刊新刊全点案内』などを刊行し,図書館向けインターネットサービス「TOOLi」を運用するほか,2000(平成12)年から2012(平成24)年までインターネットオンライン書店ビーケーワンを運営.
 丸善CHIホールディングスの傘下で図書館総合支援の図書館流通センター(東京)は、総合保育サービスを運営する明日香(横浜市)を買収へ。
2014.06.16
 保育サービスに新規参入する。自治体から要望が高い図書館の付帯サービスのひとつに保育事業がある。同社はそのサービスで高い実績と知名度を誇る。図書館流通センターは414館の図書館運営に携わり、うち219館については地方自治体から全面的に運営を受託している。保育事業との相乗作用で図書館運営事業の拡大・発展を図る。
https://www.recof.co.jp/js/mareport/recent/2014/e2284.html


 現在はTRCが運営に携わっている図書館は500館以上あると聞いています。

 興味のある方はこちらもどうぞ。

 お仕事見学

 図書館をトータルサポートする株式会社図書館流通センターを訪問! (前編)
掲載:2016年10月3日

 https://www.jcross.com/plaza/visit/post-33.html

図書館をトータルサポートする株式会社図書館流通センターを訪問! (後編)
掲載:2016年10月12日

 https://www.jcross.com/plaza/visit/post-34.html

引用の記事は発表当時のもので必ずしも現状を表すものではありません。
疲れて来ましたので次に行きます。


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