2018年6月19日火曜日

高層書架への懸念について

昨日は大阪府北部を震源とする震度6弱の地震が発生し、交通機関にもかなりの乱れが出ました。ガスの供給が止まり復旧が遅れている地域もありますし、大阪府北部では余震が続いています。

ツタヤ図書館は、壁面高く見上げる高層書架がシンボルとされています。これが「売り」だと言っている、と人づてに聞きました。
初めて入館した時に「うわーっ、すごい!」 と目を見張る空間の創出、「さすがツタヤ、カッコいい」みたいな反応を期待、ということなのでしょう。
当市の某議員もそんなことを言いました。入って行った時にうわーっと言わせたい、と。
一度目にうわーっと思ったからと言って、二度目三度目は驚きますか。それだけでまた行こうと思いますか。

南海道地震への備えが日常的に声高に(住民にとっては聞き飽きるほど)呼びかけられている和歌山県においてもツタヤ図書館には最高6メートルの高層書架が(しかも児童書のフロアの壁面に)作られようとしています。
自治体の言っていることとやっていることが全然違うのです。
大地震でけが人が出たらどうするんですか、危なくはないですか、との問いかけに市の反応は「保険をかけます」でした。デザインから全て業者に丸投げであることがわかります。
死傷者が出て訴えられたら保険で賠償ですか。もし悪いことが重なって死者が出たら取り返しがつきません。
昨日の地震で小学校のブロック塀の下敷きになって女児1名が死亡したことで、業務上過失致死の疑いで警察が現場検証に入っています。地震だから仕方がなかった、とはなりません。市とCCCには真摯に設計の見直しを求めたいと思います。

CCCは、なぜ金太郎飴のように全国どこも同じデザインにこだわるのでしょうか。
そのくせ公開プレゼンでは和歌山らしさにこだわりますとPRし、何かと言えば商業スペースで和歌山物産を展示販売するということでした(和歌山市が所蔵している移民資料の展示は募集要項にあり、当然です)。こんなレベルのことは誰でも言えるではありませんか。

そうでなくても子供のすることは予測が尽きません。職員が目を離した隙に高所の本を取るための脚立に乗ったりするでしょう。本を取ろうとしている時に地震が起きたり、脚立の足元で子供が騒げば、職員が落下して怪我をすることもあり得ます。
いろいろな危険を想定しておかなければいけないのです。

 一般書コーナーの書棚にしても、大人の背丈よりもやたらと高い書棚が並ぶ空間は高齢者には利用しにくいです。高齢者は自宅の電球を取り換えようとして脚立に乗って、まさかという人がふらついて落ちることがあります。いちいち職員を呼んで取ってもらうのも面倒なものですし、それが容易にできるほど職員の数は十分なのでしょうか。見える所にいつも待機していてくれるという意味ですが。
利便性を考えないデザインは、利用者を増やすよりも、人がそこに来てくれるだけでいい、という発想に思われます。
指定管理になった図書館の利用者が開館後の1、2年を除けば徐々に減っているというのもうなずけると思います。



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