2018年6月17日日曜日

来年度から直営復活する茨城県守谷市立図書館

 茨城県の守屋市が2019年から、市立図書館の運営を指定管理制度に基づく民間委託から市の直営に戻すことを決定しました。守谷市は2018年6月1日現在で人口67,260人。茨城県南西部、千葉県との県境に位置する自治体です。

 守谷中央図書館は2016年4月より、株式会社図書館流通センター(TRC)と県内のビルメンテナンス会社が作った共同企業体の委託管理になりました。指定管理制度に基づく委託期間は3年間短めでした。委託開始後、開館時間は従来より1時間半長くなり、開館日数も年間50日程度増えたそうです。
 しかし、民間委託に移行して3か月も経たないうちに館長や館長代理および職員の退職が相次いだようです。
 こちら(下記)のブログ記事に2016年7月2日の茨城新聞の記事が引用されていました。

茨城県守谷市立中央図書館の館長や職員の退職相次ぐ異常事態
指定管理者の図書館流通センター(TRC)の混乱ぶり
http://bookserial.seesaa.net/article/439641704.html


同図書館では、制度導入以降、4月に就任した新館長の男性が、6月5日付で退職したほか、職員も6月末までに5人が退職。職員の負担増大が不安視されていた。常任委では理由として、新体制でのコミュニケーション不足や説明不足が挙げられた。同センターは職員を順次補充し、館長代理を配置。7月から職員を新たに5人増員。8月には新たな館長が就任予定という。(上記ブログの中より一部引用)

 こういう話は、指定管理館だけでなく、委託でもよくある話です。珍しい話ではありません。そもそも、会社として器量がないのに仕事を受託しているから、こういう結果に なるのです。社長が言っている、「社を挙げて努力したい」は、所詮、実行の伴わない 空言である。
 自治体も、こうしたリスクを覚悟の上で任せているのだから、多少の責任はある。そもそも、自分たちが直営を放棄している結果として生じた事態なのだから、議員の方も、 あまり上から目線にならない方がよろしいのではないかと。

青字の所は上記のブロガーのご意見です。いろいろと調べて書いていらっしゃいます。
下の記事はいずれも迫力のある内容です。

図書館委託業務を受託する民間業者の内情と実態
  図書館運営ノウハウは、ウソ八百で虚業そのもの2016年01月12日
http://bookserial.seesaa.net/article/432339235.html

委託・指定管理図書館の管理責任者を安い労働力に頼る傲慢ビジネス
  図書館流通センター(TRC),紀伊國屋書店,丸善雄松堂の司書求人事例

2016年06月07日
http://bookserial.seesaa.net/article/438625664.html


  今年(2018)5月に、市が指定期間満了を待たずに直営に戻す決定を下した理由は、委託開始以来約10人のスタッフが退職したこと、常勤スタッフの6割以上を専門職の司書にするよう指示しているにもかかわらず目標がクリアできていないことなどのようです。

 ネットで検索しても下に掲載の毎日新聞・地方版の有料記事の他には新聞記事は出て来ません。しかしブログにこのような記事が見つかりました。


今年4月からTRCが指定管理者となった守谷図書館がとんでもないことになっています
 2016年07月17日
http://blog.livedoor.jp/igrs1949/archives/1059367027.html

  ~「守谷の図書館を考える会」の「会報」の要約です~
     開館後2か月で館長辞職
         指定管理者TRCによる運営開始後中央図書館に問題続出
             TRC石井社長を総務教育常任委員会に招致



ここによれば、委託後の初代館長はオープンする前から辞職するつもりでいた、とのことです。TRCの求人情報によればスタッフの時給はたった800円。司書が集まるとは思えません。「39名体制での協定だが、4月、5月は満たせていない。またこれ以上人員を 増やすためには上限金額を上回ってしまうことになるのでできない。
このブログの筆者も最後にこう書かれています。

 守谷市で起こっていることは特殊な事例ではなく、TRCが指定管理者となっている全国の図書館で日常的に起こっている問題です。TRCに問題があるというより指定管理者制度そのものに致命的欠陥があることは明らかです。

守谷市図書館協議会より教育委員会への答申(PDFが開きます)
  
守谷市 来年度から図書館直営復活 「民間委託なじまぬ」/茨城 
会員限定有料記事 毎日新聞 2018年5月11日 地方版
https://mainichi.jp/articles/20180511/ddl/k08/010/144000c

 守谷市は来年度、市立図書館の運営を民間委託から直営に戻す方針を決めた。民間だと経費削減を優先して専門知識を持つスタッフを十分に確保できず、良質なサービスを提供できないと判断した。指定管理者制度などに基づく民間委託の動きは全国的に拡大しているが、不適切な図書の購入が問題化するなど批判も根強く、同市の判断は議論に一石を投じそうだ。
(続きは有料記事です。)


守谷市 来年度から図書館直営復活 直営適している 
 根本彰・慶応大教授(図書館情報学)の話/茨城
 

会員限定有料記事 毎日新聞2018年5月11日 地方版
https://mainichi.jp/articles/20180511/ddl/k08/010/146000c




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